仏は死んだ

ドラえもん菩薩様は故郷である22世紀をお捨てになりました

ドラえもん菩薩様は自らの太陽の下おのが精神と遊ばれ
自らの洞くつのなかで孤独を楽しまれました

そうして何世紀かの時間が流れたある日
ドラえもん菩薩様の心に変化が起こりました

ドラえもん菩薩様は太陽に向かってこう語られました
「お前偉大なる天体よ 僕ドラえもん菩薩です
22世紀のネコ型ドラえもん菩薩です
僕は今知恵の過剰に飽きた
僕も君のように落ちてゆき
人が無常と呼ぶもの それをしなくちゃだめなんだ
こうしてドラえもん菩薩様の無常ははじまりました。」

ドラえもん菩薩様は単身山を下られました
そして民衆に向かいこうおっしゃられます
「僕は君たちに無常を教えよう
運命は変えることだってできるのだから
君たちは運命を変えるためにいったい何をしたんだい」

「ノビータは自らを乗り越え自らの力だけで勝ち
僕は安心して22世紀へ帰った。
ところがあなたがたは運命を変えるよりむしろ
ジャイコと交わりを結ぶということなのか」

「ノビータは人にとって哄笑の種、
あるいは苦痛に満ちた恥辱である
セワーシにとって人とはそういうものでなければならぬ
哄笑の種、あるいは苦痛に満ちた恥辱であらねばならぬ
かつて人はノビータであった。
しかも今現在においてさえ人はどんなノビータに比べても
馬鹿でノロマなノビータである

僕は君たちにサンサーラを教える
サンサーラとは間断なき生成と破滅との存在である
君たちは意思の言葉としてこう言わねばならない
「人生とは永劫の変化あるのみだ
成功もなければ絶望もないのだ」と

僕の兄弟たちよ
僕は君たちに切願する
もっともこの人生は真実そのものではないと

世の中には神を説くもの、善と悪をつくるもの
同情するもの、有徳者などが毎日箱のなかから語りかけてくる

君たちはそれを信じてはならない
彼らこそ生命の侮蔑者であり、しかも死滅しつつあり
自ら死毒を受けているのだ
僕はこのような者に倦んだ
滅びゆく者は滅びるがままにまかせておこう

かつて仏の顔も三度といった
しかし仏はいったいどこへいったのか
僕がそれを教えてしんぜよう
仏は死んだ
そして仏とともに彼らも死んだのだと